都市と農村の「ヒト」「時間」「知恵」がコラボする時代
今回、ご紹介する本は、『「耕す文化」の時代』です。
今年から、まちおこしについて学んでいきます。
まず、最初に手にしたのが本書です。
本書は、1988年に書かれています、しかし、内容的にはいまでも通用するもので、古さを感じさせません。やっと時代が本書に近づいてきたのかもしれません。
著者について
著者は、東京大学名誉教授です。
ヨーロッパを視点に捉えた文明批判で知られている方です。
「文化」には土地の匂いがする。自分の手足と五感を動かして何かをつくり育てる。そして「文化」は収穫を楽しむ。そうした三つの要素がさまざまな形で重なり合って、新しい「都市型の文化」がこれからはほんとうの意味で発展していく。
と著者は言います。
今回は、いっしょに都市型の文化について見てみましょう。
内容について
本書には、これからの文化についてまとめられています。
第1章 不健全な「未来論」―21世紀に何が見えるか
第2章 「宗教」の時代―価値観の大変化(1)
第3章 「五感」の時代―価値観の大変化(2)
第4章 「セカンド・ルネサンス」の時代―価値観の大変化(3)
第5章 「文化」と「文明」―文化は工業からは生まれない
第6章 「文化」としての「農業」―「農型社会」への転換
終章 「耕す文化」の時代―新しい「農」の時代の到来
ここからは、本書のオススメページを紹介していきます。
「つなぎ」社会のコミュニケーション
◆43ページ~46ページ◆
こうした問題も踏まえたうえで現在の転換期における価値観の変化をもう少し具体的に考えてみると、そこには大きく三つの特徴がある。第一は「モノからヒトへ」、第二は「モノから時間へ」、そして第三は「モノから知恵へ」である。今の人々は何を求めているのか。いったい何をもって幸福と感じるか。それはもはや「モノ」ではなく、「ヒト」であり、「時間」であり、「知恵」である。
「ヒト」「時間」「知恵」が求められている
よいヒトと、よい時間を過ごすことで、よい知恵を得ることができます。
よい知恵を得られれば、よいヒトに近づけます。
そうやってヒトは成長していくのだと思います。
「半製品」が求められている
◆80ページ~82ページ◆
デラックスな観光旅館よりも小さな民宿やペンションがいい。あるいは食事も自分でつくれる貸し別荘のようなところに泊まりたい、という最近の旅の形も、そうした半製品志向のあらわれである。すべてが整い、用意された大旅館はいわば完成品なのである。それに対して小さな民宿や貸し別荘ではサービスが行き届かずに不便な点も多いだろうが、それだけに自分で完成する楽しみがある。したがって、すべてがセットされた旅ともいえるパックツアーなど、これからはもうはやらないのではないかと思うのだが、どうだろうか。
「半製品」が求められている
半製品を製品化する過程では、「ヒト」「時間」「知恵」を満たすことが可能です。
製品化するためにヒトと出会い、製品化するための時間を過ごし、知恵を学びます。
これらの経験からヒトは幸福を感じるのでしょう。
村の光景に衝撃的な美しさを発見
◆176ページ~180ページ◆
つまり、外部の人の目から見て、自分たちの土地がどのように見え、どんな魅力を持っており、文化にどのような特色があり、そしてそれをどんなふうに生かしていったらよいかということを考えることが、これからの農村を、これからの日本、これからの世界に生かしていくうえで非常に大切なことである。都市民の感覚や技術をどのように取り入れ、都市と農村の交流をどのようにして進めていくかということは、今後の農村にとっては大きな課題となるはずだ。
都市と農村の交流を進めていく
まずは都市と農村の人的交流から始めるのがいいのでは?
都市のヒトと農村のヒトが時間を共有することで、都市民の感覚や技術を取り入れるための知恵が湧いてくるのだと思います。
近年、よく地方で開催されている芸術祭などは、都市型文化の爾来なのでしょう。
おっさんの選択
本書から学んだポイントは以下の3点です。
1) 「ヒト」「時間」「知恵」が求められていること。
2) 「半製品」が求められていること。
3) 都市と農村の交流を進めていくこと。
やっちゃえ!オッサン!おっさん は「まだまだ、やりますよ!」。
そしてあなたも「まだまだ、やれますよ!」。いっしょにがんばりましょう!!
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。また遊びにきてください。よろしくお願いいたします。