【競争しない競争戦略】ニッチ戦略、不協和戦略、協調戦略が学べます。
今回の読書メモは『競争しない競争戦略』です。
本書を手にした理由は競争戦略を学びたいと考えたからです。
リーダーではない大多数の企業が「競争しない競争戦略」を構築し、薄利を奪い合う同質的競争から脱却し、高い利益率を確保していく必要があります。
「競争しない」ためには、業界のリーダー企業と「棲み分ける」か「共生すること」が必要です。
本書では、その具体的な方法として、(1)ニッチ戦略、(2)不協和戦略、(3)協調戦略の3つがまとめられています。
著者
著者は、大学教授です。
大学卒業後、シンクタンクにて大企業のコンサルティングに従事されます。
1989年大学へ移籍し、現在に至ります。
専門は競争戦略論、ビジネスモデルで、大手企業の社外監査役も歴任されています。
目次
【第1章】競争しない競争戦略
【第2章】ニッチ戦略
【第3章】不協和戦略
【第4章】協調戦略
【終章】薄利の奪い合いからの脱却
ここからは、本書でフセンをつけた箇所をまとめておきます。
リーダー企業を参入させない戦略
◆51ページ~59ページ◆
以上のように、ニッチ企業が大手企業を参入させないためには、(1)市場規模をあまり大きくしない、(2)利益率をあまり高くしない、(3)市場を急速に立ち上げないという戦略が求められる。この3つは、大手企業で求められていることのまったく逆と言える。従来ニッチ企業は、「量的資源は劣るが、質的資源は優れているもの」と定義されてきたが、このように見てくると、必ずしも質的資源で参入障壁を作れなくても、市場規模や利益率をコントロールできれば、リーダーが同質化しにくい状況を作り出せるのである。すなわち、質的資源の優位性だけでなく、市場の量をコントロールできれば、ニッチ戦略となりうるのである。
市場の量をコントロールする
以下の3点で市場の量をコントロールできればニッチ戦略になります。
(1)市場規模をあまり大きくしない
(2)利益率をあまり高くしない
(3)市場を急速に立ち上げない
戦略を考える際の参考にします。
不協和戦略の事例から学べるもの
◆146ページ~149ページ◆
不協和戦略は、「資源を持っていない」ことを強みとして、リーダーと戦わない戦略である。従来、経営戦略を立案する際に、企業でよく使われてきたのがSWOT分析であった。そこでは強み・弱み・機会・脅威を合わせて分析し、戦略を立案してきたが、基本的には、自社の強みを活かせ、弱みを補える戦略を立てることが暗黙の前提であった。しかし、不協和音戦略のためには、リーダー企業の「強み」としてあきらめていたものを一転「弱み」にすることを考え、逆に「弱み」としてあきらめていた自社の資源を「強み」に転換させていく逆転の発想が求められる。
自社の「弱み」を「強み」に転換させる
逆転の発想は業界が成熟し、シェアが固定化してしまったような業界でより有効です。
特にリーダー企業の「強み」が絶対的であるとあきらめてしまっているような業界では、1つだけでなく、複数の「強み」が「弱み」に転換する要因を見つけられると有効です。
これも戦略を考える際の参考にします。
協調戦略の事例から学べるもの
◆213ページ~214ページ◆
協調戦略は、バリューチェーンの一部の機能に特化して、競争しない戦略を構築するものである。しかし、売上の拡大を目指して、その機能を前後に広げていくと、前後の機能を提供している企業と食い合ったり、相手企業の付加価値を奪ったりするため、協調が成り立たなくなる可能性がある。
(省略)
そのために、協調戦略による成長を目指すためには、機能の前後への拡張ではなく、バリューチェーンに入り込める企業数、自社のバリューチェーンに組み込む企業数を増やし、その部分において寡占をつくっていく方が望ましい。
(省略)
そのためには、同種のビジネスモデルの企業がいる場合には、その競争に勝ち、競合企業の数を減らしていくことが、「競争しない競争戦略」を安定させるためには必要である。
バリューチェーンに入り込む
他者に負けない得意分野があれば、その「強み」に磨きをかけ、より多くのお客様のバリューチェーンに入り込める戦略をを考えます。
取り入れたい習慣
今後取り入れたい習慣は以下の3点です。
1) 市場の量をコントロールすること。
2) 自社の「弱み」を「強み」に転換させること。
3) バリューチェーンに入り込むこと。
やっちゃえ!オッサン!おっさん は「まだまだ、やりますよ!」。
そしてあなたも「まだまだ、やれますよ!」。いっしょにがんばりましょう!!
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。また遊びにきてください。
よろしくお願いいたします。